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「命の油」オメガ3系脂肪酸

オメガ3系脂肪酸

必須脂肪酸のバランス

オメガ6系脂肪酸とオメガ3系脂肪酸は、「必須脂肪酸」です。
つまり、カラダの中で合成できないため、食事から食べる必要がある油(脂質)です。


重要なのが、オメガ6系脂肪酸とオメガ3系脂肪酸の摂取バランスです。
このバランスには、自然の摂理といわれるバランスがあります。
それがオメガ6:オメガ3=2:1です。


ところが、オメガ6系脂肪酸は摂取過多といわれています。
サラダ油の使用、あらゆる食品に含まれる「見えない油」がその理由です。
バランスを整えるためには、オメガ6を意識的に減らし、オメガ3系脂肪酸を意識的に食べる必要があります。

オメガ3系脂肪酸は、どんな脂肪酸なのか

さて、ではどのオメガ3脂肪酸とは、どんな脂肪酸なのかです。
オメガ3脂肪酸には、代表的な3つの脂肪酸があります。

● α-リノレン酸
● EPA(エイコサペンタエン酸)
● DHA(ドコサヘキサエン酸)


α-リノレン酸が、オメガ3系脂肪酸の起点となります。
α-リノレン酸は、体内でEPA、DHAに変換されます。
そのため正確に言うと、必須脂肪酸とは、α-リノレン酸の事です。


α-リノレン酸からEPAに変換されるのは、10%程度、DHAは、1%程度です。
EPA、DHAは直接食材から食べることも意識したいです。
※DHAは脳などで重要な働きをするため食事による摂取量が減ったとしても、必要部位のDHA量はそれほど大きく変化しないという話もあります。


EPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)は、魚、魚介類から摂取します。
多く含まれる魚は以下のようです。

● 本まぐろ
● まだい
● ぶり
● さば
● さんま
● まいわし
● さけ
● あじ

できれば、刺身が良いようです。
脂質栄養研究者の話によると、月30回魚を食べることが望ましいとのこと。

毎日魚食を食べられればいいのですが。
海洋汚染も気になります。

α-リノレン酸を豊富に含むオイル

月30回、魚を食べることが難しい人のために、α-リノレン酸を多く含むオイルを食生活に取り入れること重要です。

オメガ6:オメガ3=2:1 ですから、「オメガ6系脂肪酸」摂取過多の人は、バランスを整えるためにも、α-リノレン酸のオイルを意識的に食べたいです。

α-リノレン酸が豊富に含まれるオイルは限られます。
代表的なオイルが、えごま油、亜麻仁油、インカインチオイルです。

えごま油、亜麻仁油、インカインチオイルの特徴

3つのオイルの特徴を説明します。
脂肪酸組成、主な産地、微量栄養素などです。


●えごま油

α-リノレン酸 62%
オレイン酸 14%
リノール酸 15%
その他 9%

主な産地:日本、韓国、中国など
微量栄養素:ルテオリン、ロズマリン酸


●亜麻仁油

α-リノレン酸 56%
オレイン酸 18%
リノール酸 15%
その他 11%

主な産地:カナダ、ロシア、ニュージーランド
微量栄養素:亜麻リグナン


●インカインチオイル

α-リノレン酸 53%
リノール酸 27%
オレイン酸 8%
その他 12%

主な産地:ペルー、タイ
微量栄養素:ビタミンE(γ-トコフェロール)植物油の中でビタミンE含有量がトップクラス。

DHA-EPA

DHA・EPAに関して情報をまとめてみました。
これらのDHA・EPAの情報をご覧いただくと、その重要さと問題点をご理解していただけると思います。

DHA・EPAに関して

・DHA・EPAは、オメガ3系脂肪酸
・身体で合成することができず、食品から食べる必要がある必須脂肪酸


・オメガ3系脂肪酸は、大きくα-リノレン酸、EPA、DHAという3つの脂肪酸があります。
生体機能に重要な役割を果たす
脳の約60%は脂質で構成されている。そのうち22%はDHA。
・DHAは、神経や、肝臓(9.8%)にも多く含まれる。


・DHA・EPAは、魚(海洋生物)に多く含まれている。
・DHA・EPAは、魚を食べた方が良い主な理由のひとつ。
・機能性を期待して食べるというより、必要な栄養素として食べる。

α-リノレン酸は、体内でDHA・EPAに変換される

体内でα-リノレン酸からDHA・EPA変換される
・α-リノレン酸は、体内でEPAに変換されるのは約10% DHAは約1%が変換される。
・変換できるのは、年齢とかによってばらつきがある。


・α-リノレン酸自体の摂取量がそもそも少ない。
・α-リノレン酸は、EPAまでは何とか転換されるが十分ではない
・日本人は、昔から魚を食べてEPA・DHAを摂取してきた。
EPA・DHAとして摂取する必要がある。

DHA・EPAを摂取する必要性

・食事から食べないと摂取できない必須脂肪酸である。
・オメガ3系脂肪酸は、不足している。


オメガ6とのバランスをとる必要がある。オメガ6:オメガ3=2:1
・重要な機能性を持つ栄養素である。


EPAは身体に保持されないため、食べ続ける必要がある。
・肉食が増え、魚食が減っている。

「オメガ3系脂肪酸」と「オメガ6系脂肪酸」のバランス

・オメガ3系脂肪酸とオメガ6系脂肪酸は、食事から食べる必要がある必須脂肪酸。


・この2つの脂肪酸にはバランスが大切。
オメガ3系脂肪酸:オメガ6系脂肪酸=1:2というのが自然の摂理


・オメガ3系脂肪酸は摂取不足。
・オメガ6系脂肪酸は摂取過多。

DHA・EPAの摂取目標量

・1日の推奨摂取量は、約1gが望ましいとされる。


・オメガ3系脂肪酸全体の目標量※「日本人の食事摂取基準2020」より

▷30~75以上の男性・・・2.0g~2.2g
▷30~75以上の女性・・・1.6g~2.0g

DHA・EPAの問題点

・非常に酸化しやすい。
・不足を補うためには、サプリメントになりがち。
・サプリメントは高齢者が飲みにくい。
・魚から毎日食べ続けるのも難しい。
・水銀、ダイオキシンなど魚の汚染の問題。
・海洋資源の問題。

DHA・EPAの酸化安定性の低さ

・著しく低い酸化安定性。非常に酸化しやすい。
・酸化すると特有の劣化臭(魚臭)を発生する。
・DHA・EPAは、もともとは無味無臭。


・DHAの酸化速度は、オレイン酸の343倍。リノレン酸の3.4倍。
・そのためDHA・EPAの使用用途は80%がサプリメント。食品飲料は5%。


・酸化したDHA・EPAは、その機能性を失う可能性がある。
・DHA・EPAの酸化安定性の低さが、摂取不足に繋がっている。

EPA、DHAを摂取するために

・魚を食べる。
・DHA・EPAを多く含む魚を食べる。
・食べる魚の種類によってDHA・EPAの量は変わる。
・適切なのは、刺身。


・不足分を補うための選択肢としてはサプリメント。
・サプリメントの原料としては、魚、オキアミ、イカ、藻などがあります。

海洋汚染

水銀汚染は頭に入れておきたい
また、魚を毎日食べるにあたって考える必要があるのが、水銀汚染です。

厚生労働省の以下のページに、このような内容が書かれています。
https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/suigin/

※魚介類はこのように利点が多い食材ですが、反面、自然界に存在する水銀を食物連鎖の過程で体内に蓄積するため、日本人の水銀摂取の80%以上が魚介類由来となっています。また、一部の魚介類については、特定の地域等にかかわりなく、水銀濃度が他の魚介類と比較して高いものも見受けられます。

◆ 脂質栄養バランスを整えるオイル メニュー

動画で説明します。

●脂質の働き:細胞膜の主原料となる



脂質栄養バランスを整える:1日の脂肪酸ごとの脂質摂取量



脂質栄養バランスを整える:具体的なオイルの摂取方法


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野崎
こだわり商品研究所
研究員バイヤー
野崎一典

日本抗加齢医学会会員
オーソモレキュラーニュートリションエキスパート(1期)
日本オリーブオイルソムリエ協会 ジュニアオリーブオイルソムリエ®コース修了
国際食学協会 食学オイルマイスター
Natural Life & Beauty Association プロフェッショナルコース修了


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